時空のゆがみ!?ゆっくりと時間が流れる「六義園」

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今夏の猛暑も落ち着いた9月某日、
都立文化財9庭園の一つ「六義園」に行ってきました。

六義園入口

「文京千石コーポラティブハウス」計画地から北東に約400mに位置する「六義園」は、五代将軍・徳川綱吉の信任の厚かった柳澤吉保が1702年に築園した大名庭園です。

小石川後楽園とともに江戸の二大庭園に数えられていたこの庭園は、
明治時代に入って、三菱財閥の創業者である岩崎彌太郎の別邸となり、
1953年(昭和28年)に東京都(旧・東京市)に寄付されたという経緯があります。

入口を入ってすぐ

造園時は、平坦な本郷台地(※)の一隅に池を掘り、山を築き、7年の歳月をかけて「回遊式築山泉水庭園」を造り上げたようです。

※武蔵野台地東縁の一部。「文京千石コーポラティブハウス」計画地は西隣の白山台地。「小石川植物園と白山台地」のブログ参照。

「回遊式築山泉水庭園」って何だろう?
ちょっと調べてみました。

「回遊式庭園」と「築山泉水(林泉)庭園」に分解できるようで、
「回遊式庭園」は鑑賞方法、「築山泉水庭園」は表現方法を示しているようです。
表現方法で聞き馴染みがあるのは「枯山水庭園」かもしれませんね。

「回遊式庭園」は、日本庭園の形式のひとつで、園内を回遊して鑑賞する庭園。

「築山泉水庭園」は、大きな池を中心とし、その他に茶室、林、築山などいろんなものを有機的につなげたりすることが多い庭園。

なるほど、確かに「六義園」の配置も「大泉水」を中心に、築山や、いくつかの「茶屋」が点在しています。

大泉水。写真中央に浮かぶ島が「蓬莱島」

都心なのにゆっくりとした時間が流れる庭園をのんびりと散策しながら、ちょっとした休憩に利用できるのが園内に点在する「茶屋」です。

いくつか紹介していきましょう。

「滝見茶屋」

東屋の横を渓流が流れているのですが、上流を見ると小さな滝があります。


緑や水の流れに目が癒されるのですが、滝の音で耳も癒されます。

「つつじ茶屋」

「つつじ茶屋」の目の前には巨石が配され、座禅石と言われています。
明治期に“つつじ”の古材で作られた柱や茅葺き屋根でできていて趣があります。


実は園内に多く存在していた建物は先の大戦で焼失してしまいましたが、唯一現存しているのが、「つつじ茶屋」です。
柱と梁にツツジの木を使っており、他に類を見ない貴重な建物です。
「つつじの幹ってこんなに太くなるんだ!」と、違った意味でも驚きます。

 

柱の曲がり具合、屋根の組み方など、
設計者?大工さん?の「こだわり」を感じます。
プレカット(集成材の工場加工)が主流の現在の木造住宅には無い、
洗礼された印象を感じました。

「つつじ茶屋」で「六義園」の約半周を楽しんだことになります。

次回も引き続き「六義園」をご紹介します。


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