お宅訪問Feelings Realized

平面だと限られたスペースも立体で考えるとより有効に使える

  • 設計のこと

コーポラティブハウスに住むのは初めてのHさん。「正直、ここまで自由につくれるとは思わなかった。制約があるのは全体のスペースと予算だけ(笑)」というご主人様は、設計士との打合せにあたり、これまでの17軒で得たノウハウを駆使してアイデアを出したそうです。
それゆえに、取材時には入居して1年半が経過していましたが、「ああすればよかった」という後悔はほぼないとのことでした。

まずキッチンは、ダイニング側からは手元が見えない高さの収納をシステムキッチンに家具工事で取付けています。以前の家はアイランドキッチンで、何も置かないときれいでしたが、普段、生活するうえではモノがごちゃごちゃと見えてしまうという経験から得たアイデアでした。
ダイニング側から使える収納は、蓋を開ければオーブントースターや炊飯器がそのまま使えるよう、中にコードを通す穴やコンセントを設けました。「僕の過去の失敗の一つは、配線の微妙な調整。今回は棚の中のコンセント位置や配線用のホールサイズにも気を配りました。ちなみに、今回設計した家の中では、延長コードを1ヵ所も使っていません」(ご主人様)

また、この収納にはダイニングテーブルがスッキリ片付くよう、家族各自一つずつ、何でも入れられる大きめの引出しも設けています。
「スペースは平面上は制限されていても、3次元で考えるとまだ余裕があることに気づきます。たとえば一つの収納を、上は部屋のこちら側から、下はあちら側から使うとか、スペースを全て有効に使うという発想に立ちました」とご主人様がいう通り、このお宅には大きな工夫から小さな工夫までがさまざまな場所に施されています。

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▲(左)リビングからキッチンを見る。キッチンの手前には、手もとが見えない高さでダイニング側から使える収納を付けた。
  (右)冷蔵庫、オーブンレンジもリビングから見えないようキッチン横のバントリー内に配置。掃除ロボットや電動自転車の充電器も併せて収納。引戸をつけたので来客時は閉めておける。

 

 

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▲炊飯器やオーブントースター収納は、蓋を開ければダイニングからそのまま使えるよう工夫されている。

 

 

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▲リビングの一角には本棚と、普段は収納しておけるパソコンデスクが。

 



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