お宅訪問Feelings Realized

こだわりをかたちにした住まい

2015.03.13


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結婚当初から数年間、家を探していたWさんご夫妻。「よほど気に入ったら買おう」と、建売住宅や新築および中古マンションなど、いろいろなかたちの住まいを見に行っていました。そんな折、友人が住むコーポラティブハウスを訪ねることに。自由設計の小規模な集合住宅をすっかり気に入り、参加を決めました。


自分たちが住むという
イメージが湧かなくて

Wさん夫妻は30代半ばで共働き。30歳ぐらいから、賃貸ではなくて自分たちの家が欲しいと、いろいろなスタイルの住まいを見に行っていました。
しかし、建売住宅や分譲マンションを見ても「ここに自分たちが住むというイメージが湧かなくて」(ご主人様)、決めるには至りませんでした。 奥様も「新築マンションなどは、望まない部分が豪華だったり。自分たちのスタイルに合ってない」と感じたそうです。

そんな中、訪ねた友人の住まいが、世田谷のコーポラティブハウスでした。それまでコーポラティブハウスを知らなかったというご夫妻、「自由設計や、小規模の集合住宅という点が面白いと思いました」(ご主人様)。
幾つかコーポラティブハウスの案内を見に行く中、コプラスの弦巻の物件に出合います。ただ、全9世帯の建物は既に着工しており、空いているのは南西の角部屋、最上階のメゾネット住戸のみ。広さも90㎡で、当初考えていたより予算オーバーでしたが、周囲の環境に何より魅せられたとご夫妻はいいます。
「桜新町の駅からここまで歩いて来たら、松が丘小学校の前の道が石畳ですごくいいなぁと。主人も私も、窓の先に緑が見えているような戸建てで育ったので、緑が多いのも気に入りました」(奥様)

設計を担当したアルコデザインスタジオの一級建築士、福田珠名さんは「ここはメゾネット住戸で、吹抜けの天井が斜めになっていたりするので、図面で説明しても理解して選ぶ方がたまたまいなくて空いていたのだと思います」。
逆にWさんご夫妻は、マンションでありながら戸建て感覚も味わえるメゾネットを面白いと感じ、決めることにしたのだそうです。

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▲(左)4階への吹抜けにあるらせん階段から3階のリビングを見る。戸建てで育ったご夫妻は階段にも抵抗がなかったそう。(右)螺旋階段に合わせて、壁にカーブを持たせたことで、デッドスペースをなくし、更に柔らかなイメージをつくる。

 


二人で旅したニューヨークの
美術館みたいな家に住みたい

設計打ち合わせの際、建築士の福田さんに伝えたのは、「ブルックリンにある住戸やお店のようなイメージ。東海岸風というか、ロフト的というか。それを福田さんがわかってくださって、サンプルを取り寄せたりしながらいろいろ提案くださったので、やりとりはとてもスムーズだったと思います。ブルックリンと言っても、人それぞれイメージは違うと思いますが、うまく伝わってよかったです」(奥様)。
福田さんも「ご夫妻が短い期間の設計によくついてきてくださったので助かりました」。

奥様がぜひ取り入れたかったのは、ニューヨークの美術館で見たヘリンボーン張りの床。コストはかかりましたが、「本当にこの床にしてよかったと思います」と大満足だそうです。
ご主人様は階段を黒い鉄骨にしてもらい、希望を叶えました。
人を家に招いてご飯を食べるのが好きという奥様ですが、キッチンはアイランド型などでなく、いわゆる「お勝手」的な、あまり見せないつくりに。充実した食器収納やタイルにこだわりました。
4階の寝室は、吹抜けに面した壁に小窓を付けてもらったおかげで、夏も風通しがよく、「すごく気持ちがいい」(奥様)とか。
先日も、夜ダイニングテーブルで仕事をしていると、西側の横長の窓から月が見え、「この吹抜けのリビングは居心地がいいですね」とご主人様。
都市にいながら“自然と共生している感”を味わえるのだそうです。

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▲3階リビングから、4階へのらせん階段、キッチン方向を見る。ヘリンボーン張りの床、一部コンクリート打ちっ放しの壁、黒い鉄骨の階段など、ご夫妻の希望を取り入れたクールなデザイン。右手のサイドボードは1960年代のヴィンテージの家具。

 

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▲サイドボードの上には奥様が手掛けたフラワーアレンジメントが飾られている。インテリアと打放しの壁が馴染み、落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 

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▲リビングの吹抜けは斜めに切られた天井がユニーク。正面、南側の小さな三角窓や、右手、西側の横長の窓から、時間によってうつろう自然光や月明かりを楽しめる。上階の寝室は、吹抜けに面した壁の小窓からも光と風を取り込める。

 


思い描いていた以上の
生活が得られて満足

ご夫妻は、コーポラティブハウスで一番よかったのは、やはり自由設計だと話します。
「コーポラティブハウスは、希望を叶えてくれた住まいのかたちだったので、気に入っています」(ご主人様)
2014年3月、竣工と同じ時期にご長女が誕生したため、設計期間はつわりが大変だったという奥様も、キッチンのタイル一つから自分で選んだ家づくりは総じて楽しかったそうです。

費用については、「安い金額ではないですが、この予算で思い描いていた以上の生活が得られて満足しています。このエリアで最上階、この広さといった条件の新築分譲マンションは、同じ予算では買えないと思います」とご主人様。

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▲「人を招いてご飯を食べるのが好き」という奥様が「お勝手」的と表現する、機能重視のキッチン。あたたかみのある手焼きのタイルも奥様が選んだ。

 

また、このコーポラティブハウスにある屋上菜園についてもご意見を聞いてみました。
「菜園での野菜づくりは子どもの教育にもよさそうですし、ものを育てるって豊かな感じがして、屋上菜園は付加価値としてあってよかったです。屋上は見晴しがいいので、夏は皆で花火を見ましたし、コミュニティのつながりもできています」とのこと。
屋上菜園は9世帯という小規模なコーポラティブハウスならではの付加価値のようです。
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▲各戸の住み手の方々で区画割をした屋上菜園では、思い思いに野菜を育てている。

 


「子どもの声」でなく、
「〇〇ちゃんの声」という関係

全9世帯のうち、最後から2番目に参加を決めたWさんご夫妻は、コミュニティにジョインするタイミングが遅かったのが少々気がかりでした。
他の世帯の方々は既に何回か顔合わせをした後でしたが、皆さんうちとけて接してくれたので、楽しく仲間入りできたそうです。
当時妊娠していた奥様は、小さなお子さんがいる家庭が多かったのも心強かったそう。
「コーポラティブハウスならではのコミュニティがどんなものか分からず、最初は不安でした」(ご主人様)
しかし実際生活してみると、そんな心配は杞憂だったとか。

「ちょうどいいんです。皆さんとの距離感が。コプラスさんの別のコーポラティブハウスに住んでいる友人が、『住民同士が先に知り合ってから暮らすから、子どもの声をうるさいとは感じないのよ。子どもの声、ではなくて、○○ちゃんの声、という受け止め方なの』と話していたのですが、私も住んでみて本当にその通りだと思いました。普段特に濃い付き合いがあるわけではないですが、会えば娘のことを『大きくなったね』と声をかけてくださるし、困っているときには相談できる。子どもの名前もお互い知っているし、『知らない仲じゃない』という距離感がちょうどいいのです」と奥様。
子育てファミリーのライフスタイルに、コーポラティブハウスはほどよくマッチしているようです。
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▲4階の寝室は、3階からの吹抜けに面した壁に小窓を設けて通風、採光をプラス。

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▲(左)らせん階段の裏のスペースを本棚として有効利用。(右)玄関右側のドアの奥には奥行のあるシューズインクローゼットを設けており、エントランス自体はすっきりとしている。

 

PLAN

エリア:東京都世田谷区弦巻

専有面積:92.07㎡
家族構成:ご夫婦+子ども1人
入居:2014年4月

<コーディネイト>
株式会社コプラス
<全体設計/住戸設計>
株式会社アルコデザインスタジオ

<施工>
株式会社田中建設

 

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このお宅のコプラス コ―ディネイタ―

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鈴田 健一

 



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