お宅訪問Feelings Realized

長年暮らした土地に建てた新しい形の住まい



 

お祖父様がご結婚を機に購入されたという土地に、親子4代にわたって暮らしてきたOさん。古くなった大きな住まいの管理に負担を感じ始め、住み替えを含めて今後の方針を迷われていました。そんな折、ご家族に縁ある建築家に相談したのがきっかけで、コーポラティブハウスという新たな選択肢に出会います。

 

家族代々の土地と住まいを
管理していく難しさ

 

Oさんのお祖父様がこの土地を購入し、住まいを建てられたのは約80年も前のこと。
Oさんのご両親がご結婚された40年ほど前に一度目の建て替えを行い、当時まだ珍しかった二世帯住宅を建てられました。Oさんご自身がご結婚された後は、Oさんご家族とご両親の二世帯で暮らしていましたが、数年前にお父様とご主人様が他界。

Oさんと娘さん、お母様の3人家族となり、大きな二世帯住宅を管理し続ける大変さに直面します。

「庭の手入れも大変ですし、セキュリティも心配。さらに築年数も経っていたので、修繕の必要な箇所が多くていつも対応に追われていました。そうした負荷が年々積もっていき、この土地を売却してマンションに住み替えようかという話になったんです。でもいざ物件を探してみると、納得できる立地にちょうどいい住まいがそう簡単に見つかるわけもなく……土地を分割して売却するにも区の条例で不可能とわかり、なかなか動けずに気づけば3年が経っていました」。

悩んでいたOさんが相談したのは、建築家の大澤良二氏。大澤氏はOさんのご両親が山梨に建てた別荘を設計し、また二世帯住宅のリフォーム時にも依頼したというOさん一家と縁が深い建築家。そんな大澤氏はコプラスの物件も担当したことがあり、コーポラティブハウスはどうかとOさんに提案してくれたのだそうです。

 

▲南向きのOさん邸。ガラス張りのサンルーム越しに、やわらかな光がいっぱいに入る。

 


事業主であって経営者ではない
コーポラティブハウスの魅力

 

コーポラティブハウスの存在は全く知らなかったというOさん。集合住宅でありながら、各々の住民が事業主となる点に多くのメリットを感じたそうです。

「選択肢として賃貸併用住宅も考えていたのですが、ハウスメーカーなどの借り上げ期間は30年というところが多く、その頃高齢になった自分が経営していけるのかといったら、やはり自信が持てませんでした。知人にも賃貸経営している方がいますが、入居者が決まらなかったり、修繕にお金がかかったり、大変なことも多いと聞きます。コーポラティブハウスならそうした不安を抱えなくていいので、非常に魅力を感じました」。

住み慣れた土地に今後も暮らせること、信頼する大澤氏に再び設計をお願いできることも後押しとなり、Oさんはコーポラティブハウスに建て替えることを決断。
建設中は生まれて初めて賃貸物件に暮らし、そこで集合住宅のよさも実感されました。

「やはり管理会社によるメンテナンスは、戸建にはないメリットだなと感じました。自分から動かずとも、定期的に点検してくれるのは本当に楽ですね。これなら老後まで安心して暮らせそうです」。

 


▲窓からのぞく緑も美しいダイニングスペース。右側の小窓はキッチンに繋がっている。

 


きれいな状態を
維持できる間取りを優先

 

自分たちが暮らす住まいに関しては、建築家にほとんどおまかせしたと語るOさんですが、部屋を一段と明るく開放的に見せているのが、たっぷりと光を取り込めるガラス張りのサンルーム。掃除が楽で、天候を気にしなくていいからと、バルコニーではなくあえてサンルームにしてもらったのだとか。リビングからひと続きでありながら、光や風など外の気配を存分に感じられる心地よい空間に仕上がっています。

もうひとつのこだわりは、壁の一部が小窓のようにくり抜かれたセミクローズドのキッチン。程よい抜け感が部屋のアクセントにもなっており印象的です。
「子どもが小さいうちはオープンキッチンもいいのですが、我が家は娘も大きいですし、生活感も隠せるセミクローズドがちょうどいいと感じています」。

 


▲(左)雨を気にしなくてよいサンルームは洗濯物干しスペースとしての使い勝手のよさが魅力。
(右)生活感をほどよく和らげるセミクローズドのキッチン。リズムカルに向きを変えた木目もアクセントに。

 

リビング・ダイニングの床にコルク材を選んだのは、「以前住んでいた二世帯住宅で気に入っていたから」とOさん。フローリングに比べて弾力があり、見た目も、実際の足ざわりも、ホッとする温かみを感じられるのが特徴だそうです。

 


▲床材に使用したコルクには、衝撃吸収性の高さから、脚への負担の少なさや、騒音の少なさ、物を落としても割れにくいなどのメリットも。

 

そしてOさん宅全体の雰囲気を一層やわらかく演出しているのは、室内のあちこちに飾られた植物画の数々。パッケージデザイナーだったというOさんのお父様が生前描かれたもので、今も大切な住まいの一部となっています。
「父は退職後は山梨の別荘で暮らしていて、その頃趣味で描いていた絵なのですが、もう飾り切れないほどたくさんあるんです(笑)。新しい住まいでは壁や棚など飾る場所を多く設けてもらったので、きっと父も喜んでいるのではないでしょうか」。

快適な新しい暮らしを楽しむ一方で、この土地で育んできた家族の思い出も大切にされているOさんでした。

 


▲お部屋の雰囲気をひときわ柔らかく演出するのは、そこかしこに飾られている植物画。お父様が描いたものだそう。

 

 



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