お宅訪問Feelings Realized

吹抜けのある住まい


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▲明るさと開放感を生み出す大きな吹抜けはメゾネットタイプならでは

リビングから東京タワーが臨める最上階の独立住戸。メゾネットタイプで大きな吹抜けのあるMさんのお宅を訪ねました。


不安なところは納得いくまで質問

ご主人様は住まい選びの中で、こんなことを感じたそうです。
「コプラスからコーポラティブハウスの説明を受けた時には、いわゆる販売会社の営業とは少し違う空気を感じました。買わせるという感じではなく、この物件が良ければどうぞといった感じで、メリットもあるけど、デメリットもあるからよく考えてくださいと言われたのを覚えています。

正直、不安はすごくありましたよ。その分、気になる点は遠慮なく質問しました。参加を決断する前もした後も、コ―ディネイタ―と何度もやりとりをしました。建設組合を結成し進めていくことのリスクや対処、過去の実例なども含めて、一つ一つ丁寧に答えていただき、納得出来ました。」

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▲インテリアのベースカラーを白と黒の2色にすることで家具や小物と相性の良い空間を演出

 


3つの夢を叶えた住まい

奥様には、夢があったそうです。

「夢は3つありました。
吹抜けがある家で、上と下で“おーい”と声を掛け合うこと。
ハンモックがほしい。
背よりも高いクリスマスツリーを飾りたい。
メゾネットのこの住戸なら夢が叶うと思いました。」

当時を振り返って、
「昨年の12月に我が家に巨木が届きました!ツリーを買ったとは聞いていたが、まさかあんなに大きなツリーが届くなんて思ってもいなかったので、びっくりしましたよ。」
とご主人様。

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▲ご夫婦2人でお住まいの予定がお子さんが生まれることになり、間取りを変更


「僕は、風通しがいいことと明るいことが絶対条件でした。ここはその条件にぴったりでしたし、音楽が好きなので、独立住戸なら比較的音が気にならないのも、ここを選んだ理由です。メゾネットって立体的でかっこいいですし。」
と話してくださいました。

ご主人様はキーボード、奥様はバイオリンを演奏されるそうで、
お子さんが大きくなったら、リビングにピアノを置いて家族で音楽を楽しみたいのだとか。

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▲バルコニーからの景色。正面に東京タワーが臨める

 


”おーい”ができる窓

間取りを見るのが大好きで、マンションのチラシを見ては自分ならどう住むかと想像を巡らせていたという奥様。 やはり間取りづくりにはかなりのこだわりがあったのでしょうか。

「プランを何通りも考えては、間取り図の上で家具や部屋のパーツの”福笑い”を繰り返しました。設計者にその案をお送りして実際に配置できるか検討いただきました。結果的に参考プランに近いものになりましたが、寸単位でこれしかない、という間取りになっています。」

夢の”おーい”の実現までにも、議論があったそうです。
「私は2 階の寝室を腰壁にして、”ロミオとジュリエット”をイメージしていました。でも主人はクローズドな寝室を希望。二人の意見を折衷して、最終的に窓をつくることにしました。 吹き抜けの立体感を活かせれば、窓もおもしろいかなと。窓を開けた時、寝室の照明が漏れる感じも素敵なんですよ。」

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▲設計者からのイメージパースを参考に何度も打合せを重ね、最終的には写真のような形となった

 


とことん追求!
細かいところまで希望を反映

隅々まで考え抜かれたMさんのお宅は、シンプルで無駄がなく美しい住まいです。
打合せは、どのように進められたのでしょうか。

「設計前に提出するアンケートの他に、自分たちで要望書を書いたんです。
生活パターン、要望の背景、色合いやトーンなど、希望を出すだけ出してみたら、自ずと私たちの住まいが見えてくるだろうと考えました。途中で、考えがブレそうになると、この要望書を見て当初の想いに立ち返ることが出来ました。」

要望書を受け取った設計者からは、“こんなに全部は叶えられません。私の仕事は、施主の夢を一つずつ打ち壊すことです!”と言われたそうです。

「施主は、欲張ってあれもこれもと要望を出してしまいがちです。施主の夢を、予算や条件を踏まえて実現可能な形として、日常生活で使い勝手のいい住まいにするのが設計者なんですよね。
結果的には、希望はほとんど叶えられていました。だからこそ、要望は具体的に伝えておいたほうがいいと感じました。どこにお金を掛けたいのか、どんな暮らしを実現したいのか。限られた設計期間の中で、こだわりたいところと設計者に任せるところを明確にしたほうが良いと思いました。」

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▲左:5ページにわたって書かれた要望書 右:切り貼りをして考え抜いたプラン

 

他にも、ご夫婦共通ですっきり暮らしたいというご要望から収納計画はとことん考え抜かれたそうです。

「収納にはこだわりました。例えば、キッチンカウンターの収納の奥行を1cm単位で調整したり、持っているタオルの幅に合わせてタオルバーの長さを決めたり。細かいことを積み重ねて自分たちにとって使い勝手が良い住まいになりました。」

ご主人様は続けます。
「最上階の独立住戸で、中住戸に比べて暑さ寒さが厳しい環境だと思いましたので、標準仕様よりも窓ガラスの層を厚くしたり断熱材を追加したりして性能を向上させました。マンションの性能まで変更できるのは、コーポラティブハウスならではだと思います。」

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▲下階にLDK+水まわり。階段の先にある上階は主寝室とWIC

 


妖怪が住む闇だまり

自由にできることの楽しさを感じる一方で、イメージがつかないところや、選択に悩むところもあったそうです。
そんな時、的確な提案をくれたのが設計者。

「部屋の明るさのイメージがつかめず、窓の数や大きさ、照明計画で悩みました。
そんな時、設計者から印象に残るアドバイスをいただきました。 “家には妖怪が住む場所を残しましょう”と。
陽がおちるにつれ、家の中も薄暗くなる。照明で明るくし過ぎず、暗さも受け入れるべきだとおっしゃっていました。電灯の光がだんだんと遠く届かなくなった闇だまりのこところに妖怪が住むそうです。

冬でも日が暮れるまで照明を付けなくても十分明るいですし、夜になると落ち着いた時間を過ごせる空間になり、アドバイスの意味がよく分かりました。」

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▲照明や窓をついつい増やしたくなったが設計者から適切な数を提案されたそう

 



コーポラティブハウスのコミュニティ。 どんなものなのか、想像がつかないというお声をよくいただきます。
Mさんも初めはそうだったようです。

「入居前はピンときていませんでした。むしろ、近所付き合いがうっとおしいのではないかと。
実際に住んでみて、住民同士の顔や人となりが分かっていることは安心だと思うようになりました。
特に子供ができて、同じ年代の人がいるのはいいです。小さいころから知っていて適度な距離でお付き合いできる幼馴染がいるのは子供にとってもいいことだと思います。」

“コミュニティ”というとわずらわしい人間関係を心配される方もいらっしゃると思いますが、
Mさんは、ごく自然で普通の関係だとおっしゃいます。

「縁を持って近くで住んでいる人たちっていうのは知り合いであるほうが自然だと思います。僕の実家は戸建てで向こう三軒両隣、普通にご近所付き合いがあります。昔はそれが普通だったのに、いつしかなくなってしまった。特にマンションは、壁1枚で、戸建てよりもっと近いお隣さんなのに、隣の人を知らないことのほうが実はおかしいのではと思うようになりました。」

ご主人様はこう続けます。
「それにコーポラティブハウスの場合は、この土地とこの方式を選んで、同じような価格帯を購入をするという方の集まりな訳で、結果的に価値観の近い人が多いんじゃないかなと感じています。職場でも気の合う人もいれば、そうでない人もいますよね。実際、このマンションでも家族ぐるみでよくお会いする人もいるし、挨拶程度の人もいて濃淡はあります。気が合う人なら深く付き合えばいいですしね。自然な関係だと思います。」

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▲玄関のシンボルツリーが季節を感じさせる

 


これから住まい選びをされる方へ

「もっと住まいにこだわってもいいんじゃないでしょうか。 人生の多くを過ごす空間ですから、ある程度の時間をかけて、住まいに求める価値を考えることは大事だと思います。住まいは、住む人が考えて造るもの。そう思います。 そういう共通体験を経た人たちと自然なつながりが出来るコーポラティブハウスは、住まいの選択肢として検討する価値があると思います。 自分がやってみて楽しかったので、マンションを指向される方でも“家づくりって楽しい”と思ってほしいですね。」

最終

▲上:上階の主寝室の窓からLDKを見降ろす/左下:洗面室/右下:明るい主寝室

 


PLAN

エリア:港区三田
間取り:2LDK
専有面積:71.09㎡
家族構成:夫婦+こども1人
入居:2012年6月

<コーディネイト>
株式会社コプラス
<全体設計>
株式会社プラネットワークス
<住戸設計>
K空間計画社
<施工>
株式会社松尾工務店

 

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このお宅のコプラス コ―ディネイタ―

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柴原 究

 



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