お宅訪問Feelings Realized

吹き抜けと土間がある住まい


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港区という都心でありながら、国道から風情ある坂を上ってアプローチする閑静な住宅街の一角。8階建て16世帯が入るコーポラティブハウスの5・6階部分に住むKさん宅を訪ねました。


都心の割に
静かな環境が気に入って

Kさん夫妻は仕事が忙しいDINKSということもあり、これまでも都心に近い、極めて便利なエリアに暮らしてきました。結婚後に住んだメゾネットの賃貸住宅は気に入っていたものの、「やっぱり賃貸は何も残らない割に家賃が高い」(ご主人様)ということで、新築マンションを購入。そこも便利な場所でしたが、山手通りに面していたため、常に2重サッシ窓を閉めて生活していたとか。
「洗濯物は部屋干しが当たり前で、『そのうち窓が開けられるところに住み替えようか』と二人で話していました」(奥様)。
次はコーポラティブハウスと決めていたわけではなく、分譲マンションのモデルルームなどに時々、ご夫妻で出かけたりしてみたそうです。
そんな折、たまたまメルマガ登録をしていたコプラスから説明会の案内が届きます。港区の現地を訪れてみると、都心の割に静かで落ち着いた環境。
「いいエリアだね、と二人で気に入って決めました」(ご主人様)。

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▲都心の一等地だが、落ち着いた環境。気候のよい日はこのバルコニーで食事もするそう。

 


空間のメインは
吹抜けのあるリビング

Kさん夫妻は16世帯が入るこのコーポラティブハウスの5、6階部分、87㎡ほどの住戸を選択。以前住んだメゾネットが気に入っていたことから、2層分の高さを生かせる住まいを希望しました。玄関を入ると土間がそのままキッチンへつながり、バルコニーへもその足で出られるので、自転車やアウトドア用品を片付けるのにも便利です。
そして空間のメインが、広いリビングです。
「前のマンションは3LDKで、1部屋は納戸になってしまい、もう1部屋は書斎にしていましたが使っていない状態。結局いつもリビングにいて、『それならリビングと寝室、納戸があればいいじゃん(笑)』と思いました」(ご主人様)
ということで、のびやかな吹抜けのある快適なリビングダイニングが生まれました。

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▲2層分の高さを確保した吹抜けのリビング。玄関から続く左手土間には自転車も置ける。
 畳敷きの和スペースともうまく融合した空間デザイン。

ゲストが泊まれる畳敷きのスペースは、引き戸で間仕切ることもできます。
「普段は洗濯物を畳むのに便利です(笑)」(奥様)。

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▲(左)窓を全開するとベランダと一体になり、気持ちがよい。(右)熱帯魚もご主人様の趣味の一つ。水槽を置くため床を補強した。

 


窓を開けて暮らせる
風通しのよい設計

ご夫妻が住み替えに求めた「風通しのよい家で窓を開けて暮らしたい」という希望を叶えるために、設計の工夫がなされています。屋根の形を生かして斜め天井の吹き抜けにはトップライトも設けられ、南北の窓を風が抜けるよう意図されています。北側バルコニーからの柔らかい光とトップライトの光で、室内は十分な明るさが確保されています。また、吹抜けに面した上層階の寝室の壁にも室内窓が。バスルームやトイレにも希望した通り窓が設けられ、空間全体に通風が配慮されています。

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▲上階まで吹抜けになったリビングには、トップライトも。階段上の引き戸の奥に寝室がある。

ユニークなのは、リビングの一角のDJブース。ご主人様が長年の趣味として持っていた2つのターンテーブルや沢山のレコードをうまく収納して楽しめるコーナーを、設計士さんに頼んでつくってもらったそうです。PCデスクも備え、書斎を兼ねるスペースです。

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▲階段横の一角を利用したDJコーナー。設計士さんと1年がかりで打合せして完成させた念願のスペースに「ここだけでもう満足しちゃった(笑)」(ご主人様)。配線は設計時に床の下に通したのですっきり。


コーポラティブハウスならではの
特性

「住人が事業主となるしくみなので、リスクもある点については最初、正直びびりましたね(笑)。でも、集まった住人の方々を見たら、いろんな業種のプロフェッショナルがいるので、まあ大丈夫かなと(笑)。自分も仕事上の経験などから、どんなリスクがあるかについても何となく想像できたから、なんとかなるでしょうと。途中、スケルトン(構造体)の状態など工事段階を見せてもらえる施工図確認会や現場確認会など、コーポラならではの体験があってよかったです」(ご主人様)。

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▲(左)洗面室のタイルは奥様が希望したお気に入りのもの。
 (右)吹抜けの上階、寝室の壁には室内窓を設け、通風を確保。窓の下、丸く見える穴は今後飼う予定の猫の通り道。
    梁がキャットウォークになる。


“つくる”苦労を経て
「200%満足」の住み心地

また、この物件は最初の説明会が2010年春で、引渡しが2012年6月。途中東日本大震災という大きな出来事にも見舞われました。 こうした心配事や苦労を一つずつクリアしながらできあがったKさん宅。できあいのものを買ったのではない充足感があると、奥様は言います。 「希望が反映された家に住めて、今は200%満足しています。家を買ったというより『つくった』から、いとおしい感じがします。これが一戸建てで土地を買ってとなると、やっぱり都心から離れることになるので、それよりは便利さを取りたかったですしね」 ご主人様も「戸建て感覚を都心でかたちにできるツールがコーポラなんじゃないかな。前の分譲マンションとは、住み心地が全く別のもの。家にいる時間の充実感が上がりましたね」。
玄関から続くキッチンは、思いきり料理ができるよう土間に。キッチンのタイルもこだわって選ばれたそうです。

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▲(左)奥にはゴミ箱を隠して置けるスペースも。(右)ブルー系の濃淡の組み合わせが空間に奥行きを感じさせる。


ご近所付き合いができる
小規模コミュニティ

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「コーポラティブハウスは入居前から顔、名前が徐々にわかっていき、接点ができるというのが特徴ですよね。集まる前は、コーポラを希望する人ってもっと年齢層が高いかと思い込んでいましたが、意外と30代の方も多く、家族が増えていく家があったり、面白いです。エレベーターで挨拶ができる関係、ご近所付き合いがあって、交流会や持ち寄りパーティもします。前のマンションは180世帯ほどの大型マンションだったんですが、それとは違いますね。もともとタワーマンションなどには興味がなかったので、小規模の集合住宅のよさに満足しています」


 

PLAN

エリア:港区三田
専有面積:87.71㎡
家族構成:ご夫婦
入居:2012年6月

<コーディネイト>
株式会社コプラス
<全体設計>
株式会社プラネットワークス
<住戸設計>
有限会社ジェネラルデザイン一級建築事務所
<施工>
株式会社松尾工務店

 

N-unit-5F・6(金子邸)

このお宅のコプラス コ―ディネイタ―

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柴原 究



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