持ち家の住み替え手順は?コーポラティブハウスの事例も紹介

住まい

人生100年時代、ライフスタイルに合わせて家を買い替えることもあるのではないでしょうか。賃貸から持ち家戸建へ、リタイア後は維持が簡単なマンションへ。
コーポラティブハウス事業を手掛けるコプラスにおいても、持ち家を売却して住み替えを検討する方が増えてきました。そこで実際に住み替えた人の実例を紹介紹介します。住み替えを検討している人やコーポラティブハウスへの入居を考えている人はぜひ参考にしてみてください。


住み替えの基本的な流れとは?

家の住み替えは「不動産売却」と「不動産購入」という2つの取引を行います。まずは、それぞれの流れを把握しましょう。

不動産売却の流れ

1 不動産仲介会社による査定を受ける
2 不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
3 売却のための活動を行う
4 売買契約を結ぶ
5 物件を引渡す

不動産会社による査定を受ける
「住んでいる家がいくらで売れそうか」不動産仲介会社に査定を依頼します。どの不動産会社も査定は基本無料で行ってくれます。査定価格を把握することで、資金計画や住み替え計画に活かしましょう。

できるだけ複数の不動産仲介会社へ依頼し、査定価格や各社のサービス内容を比較することが重要。
集客の仕方はどの不動産会社も大きな違いはありませんが、「地域密着型で、不動産を探している顧客を抱えている」「担当者のケアが丁寧」「設備保証が充実している」など、各社の特色があるため、自分の希望に合う仲介会社を見極めましょう。

不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
次に、不動産仲介会社と媒介契約を結びます。

媒介契約には、契約内容が異なる3つの媒介契約(「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」)があり、媒介契約が締結すると、いよいよ不動産仲介会社による売却活動が開始されます。

不動産会社が行う売却活動のおもな内容は、集客と内覧対応。売却したい不動産をサイトに広告掲載したり、不動産流通機構が運営するネットワーク(レインズ)への物件情報を登録したりすることで、買主を集めます。この間、売主としては、物件状況を記載する報告書の記入や、買主候補者からの質疑対応、居住中の場合は内覧対応にも協力する必要があります。

売買契約を結ぶ
内覧や交渉を経て買主が決定したら、売買契約を結びます。売買契約は売主・買主・不動産仲介会社の三者で行われ、不動産仲介会社は双方に契約条件の説明などを実施。買主はこの時点で、手付金を売主に支払います。

物件を引渡す
売買契約から2~3ヶ月後に物件の引渡しを行います。「決済」とも呼ばれており、物件残代金の支払いや管理費等の日割精算を行うと同時に、司法書士による登記を行います。売り物件に住宅ローン残債がある場合は、買主から支払われる代金をもって、抵当権を抹消する登記を行い、売主から買主へ所有権移転登記を行います。こうして不動産売却は完了です。

不動産購入の流れ

1 物件探し
2 物件の内見 or 説明会参加
3 購入希望申込
4 住宅ローン審査
5 売買契約
6 引越・入居

物件探し
エリア、間取り、費用など、条件に合う理想の物件を探します。マンションか、戸建か、新築にするか、中古にするか、検討を経て候補を絞っていきます。

物件の内見 or 説明会参加
既存物件の場合、販売を行っている不動産仲介会社へ連絡し、物件の内見を申し込みます。空室の場合は、すぐに内見が可能ですが、売主居住中の場合は、売主立会いの下、内見することになります。一方、完成前の新築の場合は説明会への参加がこちらのステップに該当します。物件情報を確認しつつ、自分の希望条件に合致するかどうか見極めて検討します。

購入希望申し込み
購入する意思が固まった場合は、不動産仲介会社へ書面で購入の申し込みを行います。この時点で、手付金の提示を行います。宅建業法上、「手付金の上限は物件価格の20%まで」と決められていますが、実際の不動産取引では物件価格の10%の金額が相場とされています。もしも購入先の物件に他の検討者がいた場合は、先着順になる可能性もあります。

住宅ローンの申し込み・売買契約
住宅ローンを利用して新居を購入する場合、申込と同じタイミングで金融機関へ住宅ローン審査を申し込みます。審査には事前審査と本審査の2ステップがあり、事前審査には1週間程度、本審査には2週間から1ヶ月程度かかります。住宅ローンの審査を通過し、物件の購入が可能だと判断された場合、正式な売買契約を締結します。

引越し・入居
売買契約から2~3か月後に引渡し(決済)となります。中古物件を購入し、リフォームなどが必要な場合は引渡しを受けた後に、工事を実施。別途工事内容やスケジュールを調整し、新居への入居日を決定します。その後引越しを行い、入居を開始して不動産購入は完了です。

売却と購入どちらが先?

不動産売却と不動産購入はどちらを優先して進めるべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。住み替えの際に、不動産売却を先に行うことを「売り先行」、不動産購入を先に行うことを「買い先行」と呼びます。次に「売り先行」と「買い先行」のそれぞれメリット・デメリットを解説します。

「持ち家が本当に売れるのだろうか」という不安が大きい場合は、持ち家が売れる目処がついてから新居を購入するという、「売り先行」の方法になります。

「売り先行」のメリット

売り先行で住み替えを行うと、売却で得た利益を購入に使えるため、資金計画が立てやすく、新居の購入費用を捻出することができます。また、売り急ぐ必要がないため、適切な価格で売却できることもメリット。希望の条件に合う買主が決まるまで売却活動を行えるため、希望に反する値下げをせずに売却ができるでしょう。

「売り先行」のデメリット

売却を優先して進めるため、新居の購入・引渡しが決まる前に、現在住んでいる家の売却・引渡しを行うことがあります。そのため、新居へ入居できるまでの仮住まいを手配する必要があり、結果的に引越しが2回になることも。仮住まいへの引っ越し費用や、敷金・礼金・仲介手数料等の初期費用等、余分な出費が発生します。また、仮住まいに荷物が収容できない場合は、別途倉庫をレンタルするなど、予定外の出費が発生するケースも想定しておきましょう。

仮住まいの諸費用を抑えるには、売却活動と並行して新居を探しておく、仮住まい先を実家にする、などの工夫が必要です。

「買い先行」のメリット

売却より先に新居の購入を進める買い先行のメリット・デメリットを見てみましょう。

じっくり時間をかけて住み替え先を探すことができる

希望の住み替え先が見つかるまで、新たな物件をじっくり比較・検討できます。新居選びを妥協したくない、注文住宅で理想の家をつくりたい、という方は「買い先行」の方法がおすすめです。

仮住まいの手配が不要

買い先行では、住み替え先となる新居の購入・引渡しを終えてから、現在の住まいを売却するため、仮住まいの手配が不要です。新居の引渡し時期を調整できる場合は、売却と同時に引越しを行うこともできるでしょう。そのため、一時的な引越しのための諸費用や労力を省けます。

「買い先行」のデメリット

買い先行にもデメリットはあります。確認しておきましょう。

売却が完了するまで、住宅ローンを二重で支払う必要がある

現在の住まいに住宅ローン残債がある状態かつ新居にも住宅ローンの利用を検討する場合、買い先行で新居を契約した場合は、住宅ローンの支払いが二重となり、毎月の負担が大きくなります。特に自己資金に余裕がない場合や売却で得た利益を新居の購入費用にする場合は、買い先行の住み替えを行うと、資金計画に無理が生じる可能性があるため、注意が必要です。

売却で得た利益を購入に使えない

買い先行で売却を進める場合、売却で得た利益を購入に使用できません。今まで住んでいた家に住宅ローンが残っている場合は、売却で得た利益が残らない可能性もあります。

買い先行の住み替えは、現在の住まいの住宅ローンを完済している場合や、新居購入のための自己資金に余裕がある場合におすすめです。新居の購入を担当する不動産仲介会社と相談のうえ、慎重な住み替え計画を立てましょう。

「売り先行」がおすすめな人

初めての住み替えの場合や自己資金が少ない場合では、資金計画が立てやすく、堅実な住み替え先選びが可能な「売り先行」をおすすめします。売却益を住宅ローンの返済や新居の購入費用に使用できるため、資金ショートのリスクが低くなります。また、住み替え先にあまりこだわりがない人や売却を優先したい人にもおすすめの方法です。

「買い先行」がおすすめな人

現在の住まいの住宅ローン残債が無い人や自己資金に余裕がある人、住み替え先が決まっている人などは買い先行がおすすめです。持ち家の売却を決めてから引き渡しまではスムーズに進む場合でも半年ほどかかるため、住み替え先への入居から逆算して、売却スケジュールを立てましょう。

もしも、新居への入居後もなかなか持ち家の買主が決まらない場合は、売却活動を継続する必要がありますが、住宅ローンの残債がなければ、金額負担は少なくて済みます。(毎月の管理費・修繕積立金、年単位の固定資産税・都市計画税等が発生)

万が一、買主が見つからない場合は、相場より安くなってしまうものの、不動産会社等に買い取ってもらうという方法もあります。

コーポラティブハウスへの住み替え事例紹介

コーポラティブハウスの事業企画を担当するコプラスでは、コーポラティブハウスを売却したい方や持ち家を売却してコーポラティブハウスへ入居する方の媒介業務を担当しています。

コーポラティブハウスとは、入居希望者が集まって建設組合を結成し、新築のマンションを作っていく仕組みのこと。入居を決めてから1年半から2年ほど時間がかかりますが、その間に同じマンションに入居する者同士少しずつ顔見知りになっていったり、打ち合わせを重ねて部屋の内部を自由に設計したりすることが可能です。

次に、コプラス担当したコーポラティブハウスにまつわる売却事例を2つ紹介します。

【売り先行】コーポラティブハウス売却後、新居へ 
※住宅ローン残債あり

ライフスタイルの変化を理由にコーポラティブハウスの売却を決定したMさん。

「中古マンション市場が活発なうちに年内までに売却したい」という意向があったため、住み替え先の検討に時間を割くよりは、売却を優先するパターンでした。売買契約の目途がたったあたりで本格的に、住み替え先探しを開始。引っ越しから引き渡しまで1週間とタイトなスケジュールでしたが、無事にコーポラティブハウスを売却できました。

【買い先行】コーポラティブハウス入居決定後、持ち家売却へ 
※住宅ローン残債なし、コーポラティブハウスで住宅ローン利用

コーポラティブハウスへの入居を決定してから、持ち家の売却を決めたFさん。

コーポラティブハウスが完成する約半年前に媒介契約を締結し、売却活動をスタートしました。結果的にすぐ買主が見つかり、売買契約を締結。引渡日をコーポラティブハウスへの入居後に設定しました。

今回のポイントは住宅ローンの残債が無かった点と住み替え先の完成がスケジュール通りに進んだ点です。もしも毎月の住宅ローン返済があり、住み替え先への引っ越し後も持ち家が売却できない場合は、住宅ローンの返済が2本になるため、家計には大きな負担となります。

また、コーポラティブハウスの完成が遅れる場合は、引渡しの日程を先延ばしにするか、仮住まい先を探さなければなりません。住み替え先をこだわりたい人におすすめの方法ですが、住宅ローンの残債の有無や住み替え先の完成スケジュールも注視する必要があるでしょう。

コーポラティブハウスにまつわる住み替えは専門会社に

売却活動を依頼する不動産会社は、情報収集の上で比較検討して決めることが重要です。

一旦、売却活動を開始すると、内覧対応から質疑対応、必要書類の準備など、意外と売主の手間も時間もかかるのが実態。そのため、依頼する不動産会社を決めたら、一定期間は1社に依頼する方が連絡の手間が省けるでしょう。さらに住み替え先を扱う不動産会社に持ち家の売却を依頼すれば、相談窓口は1社で完結します。

中には、1社だけに依頼するのは不安という方もいるかもしれません。その場合は、売却活動が芳しくない状況に備えて、後から他社にも媒介を依頼できるような一般媒介契約方式にするか、契約期間(一般的には3カ月)が終了したら他社へ切り替えるなどの対応を検討しましょう。

まとめ

コーポラティブハウスに関することならコプラスにお任せください。新規コーポラティブハウスの企画運営からコーポラティブハウスの売却や賃貸も対応可能です。査定は無料かつ1週間程度で提出可能ですので、お気軽にお問い合わせくださいね。次回をお楽しみに!

 

執筆者:株式会社コプラス コーポラティブ事業部 大澤(宅地建物取引士)

渋谷区にあるまちづくりが得意な不動産コンサルティング会社でコーポラティブハウスの企画運営を担当しています。同時に家づくりに関する知識をお届けするデジタルコラム・「CO+コラム」も運営中。

◆コーポラティブハウス特設サイト https://cooperativehouse.jp/

◆お宅訪問インタビュー動画: https://cooperativehouse.jp/casestudy/

◆コプラスの仲介サイト: https://cooperativehouse.jp/agency/

 

この記事を書いた人

株式会社コプラス

Back to Top