コーポラティブハウスの資産価値について考える

お金

入居希望者が集まって建設組合をつくり、新築マンションをつくる仕組みであるコーポラティブハウスの資産価値について考えます。新築分譲マンションの供給数のうち、コーポラティブハウスは全体の供給数のわずか約0.3%。知る人ぞ知る、マイホームの取得の仕方だからこそ、これからコーポラティブハウスを検討する場合やコーポラティブハウスを売却しようとする場合には、資産価値が気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、資産価値を重視してマイホーム選びをする人が増えてきた理由から、資産価値が落ちないマンションまで詳しく解説。コーポラティブハウスの資産価値について気になっている方、必見の内容になっています。


コーポラティブハウスとは?

希望入居者が集まって建設組合をつくり、新築マンションをつくる仕組みであるコーポラティブハウス。完成までには約2年間の時間がかかるものの、戸建の注文住宅のように室内を自由に設計できる点や価格が費用が透明化されている合理的な価格がメリットとしてあげられます。

18世紀に欧米で生まれ、日本では昭和53年に旧建設省(現・国土交通省)によって定義づけられましたが、まだまだ知る人ぞ知る住まいの取得方法です。

物件の資産価値とは?

マイホームを検討する際には、どこに住むか、戸建にするかマンションにするか、新築にするかマンションにするか、様々な要素を検討しなければなりません。
加えて、近年では資産価値を重視してマイホームを検討する人も増えてきました。

マンションと戸建ての資産価値に着目すると、将来的な資産価値の減り方に違いがあります。

マンションは1戸あたりの土地の割合が少ないため、建物が古くなるとともに資産価値が下がる一方、戸建ては建物の資産価値がマンションより早く減っても、土地の価値はゼロにはなりません。

仮に築22年(木造住宅の耐用年数)で建物の価値がゼロになっても、それ以降に地価が大きく変動しなければ資産価値はほぼ一定です。

つまり売却を考える場合、築浅のうちはマンションが有利で、年数が経つと戸建てが有利となります。

マンションの資産価値が注目される理由

物件の資産価値としてマンションか戸建か、どちらに優劣があるというわけではなく、購入検討者のライフスタイルや重要視するポイントによってどちらを選択するかで、答えが変わります。

近年では、マンションの資産価値に注目する人が増えてきました。その理由を以下に解説します。

理由その1:住み替えという考え方が定着したこと

かつて不動産は一生に一度の買い物と言われており、若いうちは賃貸住宅や社宅に住み、そのあとマイホームを購入、生涯にわたって住み続けるという考えが一般的でした。

しかし、実際には子どもの独立などで家族数が増減したり、リタイア後の生活では通勤の必要がなくなったりと、ライフスタイルは変化します。また、コロナ禍を経てテレワークが普及したことにより、郊外での生活も可能になりました。そのため、マイホームを購入する際にも将来的なライフスタイルやライフステージの変化に備えておく、という考え方が広まってきました。

理由その2:マンション購入を資産形成としてとらえる見方が広まりつつあること

リクルート住まいカンパニーの行った「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」によれば、マンションの購入理由として「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」を挙げた人は30%にのぼり、2003年の調査開始以来最高を更新しました。

マイホームの購入時には、住宅ローン減税や各種控除を受けることができるため、節税効果があるほか、不動産を購入してくことで、将来賃貸に出すことも可能になります。

例えば、一時的に転勤で住まいを離れるといった場合、空いた部屋を人に貸すことで副収入を得ることもできるでしょう。

参考:(株)リクルート 2022年首都圏新築マンション契約者動向調査

マンションの資産価値とは「高く売れる・高く貸せる」こと

では、マンションの資産価値とは何で決まるのでしょうか。実際にマンションの査定を担当している筆者が考える、資産価値を決める最も重要な要素は「立地」です。

人気のエリアは価値が下がりにくい

新築分譲マンションの価格は、土地の仕入れ価格、建物の建設費、販売経費や販売業者である不動産デベロッパーの利益、で決まります。

中でも大きく分譲価格に影響するのが土地の価格。人気のあるエリアでは土地の価格が高く、分譲価格はそれなりに高くなりますが、中古マンションとして売り出す時にも価値が下がりにくいと言えるでしょう。

建物の価格が築年数に比例して下がっていく一方、継続的に人口の流入が見込める人気のあるエリアならば土地の価格は下がりません。したがって、人気のエリアの物件を選ぶことで、将来的には地価の上昇により売却価格が購入時の価格を上回り、リセールバリューを期待することもできます。

一方、人気のないエリアは、将来的にさらに地価が下がる可能性があります。すると売却時にも買い手がつきにくくなるか、売却できたとしても価格は低くなるでしょう。

地価が上昇する可能性のあるエリアの見分け方は、新線や新駅の開通が予定されていたり、インバウンド需要が見込めること。都市計画による規制緩和が受けられるエリアなどがあげられますが、予想は難しく、住みたいエリアと合致する可能性は低いでしょう。

そこで、具体的にマンションを検討する段階になった際に最低限チェックしておきたいのが、ハザードマップ。

水害時の浸水や地震による液状化などが発生すれば、地価の下落は避けられないため、各自治体が公表しているハザードマップをマンション購入前に確認しておくことをオススメします。

交通利便性も立地条件に大切な要素

どのエリアに住むかを決めたら、次に重要なのが交通の利便性。

東京カンテイが行った調査によると、2022年度の新築マンションと駅徒歩分数の関係は平均で7.8分。
これは駅チカニーズの強さを反映しており、駅から徒歩10分以内に立地するマンションが、多くの人が理想として望む立地だと言われています。

例えば、SUUMOで新築マンション購入を検討しているユーザー(首都圏)を分析すると、全体の72.6%が駅徒歩10分以内を希望。そのうち、約30%が駅徒歩7分を検索しています。

また、東京カンテイが発表した、首都圏で発売された「新築マンションの徒歩時間別供給シェア」によると徒歩4~7分が35%で最も多く、次いで徒歩3分以内の22%と、駅徒歩7分以内が57%を占めており、駅近ニーズの強さを反映した結果になっています。

参考:東京カンテイ「マンション・一戸建て住宅データ白書2022

資産価値を考える際の築年数の考え方

中古マンションを選ぶ場合、築年数が古くなればなるほど価格も低くなりますが、築5年未満のマンションでは、新築と比べて住宅設備においても性能に変わりなく、価格もあまり減価しません。

出典:レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)

築11年を過ぎると価格が落ち、築21年ではさらに下落していることがわかります。
つまり、資産価値を重視するならば、市場での需要がある築10年、築20年の節目のタイミングでマンションを売却するかどうか検討してみてもよいでしょう。

資産価値にも影響する、マンション管理

「マンションは管理を見て買う」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。鉄筋コンクリート造のマンションは適切に管理をすることで、法定耐用年数を大きく上回り、(マンションの耐用年数に関しての記事はこちら)資産価値を維持でき、長く住むことが可能です。

マンションの価値を維持していくためには、日常の適切な管理が不可欠な要素。
日ごろの管理や修繕状況によって、同じ築年数のマンションでも建物の状態がまったく違ってきます。

特に中古のマンションの購入時には、室内を内見するだけでなく、よく見ておきたいのが共用部分です。

【チェックポイント】
・エントランス、エレベーターホール、階段や駐車場などの清掃が行き届いているか
・補修の必要な箇所(外壁等)がそのままになっていないか

マンションの築年数に比例して修繕積立金の額は高くなるものですが、築年数に対して管理費や修繕積立金の額が安すぎる場合は、適切に見直しが行われていない可能性も。

不動産会社を通じて、マンションの長期修繕計画案等も確認できるため、購入前によく確かめておくことが後悔しないポイントといえます。

コーポラティブハウスの資産価値も「立地」で決まる

マンションの資産価値の考え方同様、コーポラティブハウスの資産価値も「立地」で決まります。
検討中のコーポラティブハウスやお住まいのコーポラティブハウスが人気のエリアに位置していたり、駅徒歩分数が10分以内であれば、資産価値が下がりにくい可能性があるでしょう。

個性的な間取りや仕様は嫌煙されるかも

注文住宅のように、室内を自由に設計できるコーポラティブハウスですが、資産価値を重視する場合は、設計の打ち合わせ段階からリセールバリューを意識することが必要です。

例えば、ホテル仕様に浴室とトイレが一体になった水回りやデコラティブすぎる壁紙、防音室の設置など、あまりに自分の趣味趣向を反省させた部屋は、買い手を選んでしまう傾向にあります。

参考にすべきは一般的な分譲マンション仕様。傷がつきにくいシートフローリングやお手入れが楽なユニット洗面台などを採用しておくとよいでしょう。

ただし、コーポラティブハウスのメリットでもある自由設計や自分の暮らしやすさとバランスを取ることが大事かもしれません。

コーポラティブハウスの専門会社なら資産価値を正しく査定

資産価値が落ちないマンションあるいはコーポラティブハウスを選んでおけば、購入時の価格より高い価格での売却が可能になったり、周辺相場より高値での売却も可能になるかもしれません。

しかしながら、コーポラティブハウスを不動産会社担当者がよく理解していない場合は、個性的な間取りが多い等のイメージが先行し、物件の魅力を購入検討者にうまく伝えてくれない場合があるでしょう。
上記の理由から、中古のコーポラティブハウスの価格が周辺相場と比較して、安く設定されているケースも実際にありました。

そのため、コーポラティブハウスの資産価値を正しく図るためにも、専門会社を含む複数社に査定依頼を出して、売出価格を決めることをおすすめします。

コーポラティブハウスの専門会社に依頼すれば、コーポラティブハウスに関心がある顧客を抱えていることもあるので、最初の段階から理解ある検討客に出会える可能性も高いでしょう。

まとめ

コーポラティブハウスを検討している方や居住中の方にむけて、コーポラティブハウスの資産価値について解説しました。マンションの資産価値は立地で決まる部分が多いため、コーポラティブハウスにおいても、良い立地を選んでおくことが重要です。

個性的な間取りの場合は売れにくいケースもあるため、自由設計の段階においても、将来売却することを意識した選択が必要。具体的には、通常の分譲マンションと同様の間取りや仕様を採用しておけばよいでしょう。

ただし、コーポラティブハウスならではの"自分のライフスタイルに間取りを合わせる"自由設計のメリットを享受することも忘れてはいけませんね。

執筆者:株式会社コプラス コーポラティブ事業部 大澤(宅地建物取引士)

渋谷区にあるまちづくりが得意な不動産コンサルティング会社でコーポラティブハウスの企画運営を担当しています。同時に家づくりに関する知識をお届けするデジタルコラム・「CO+コラム」も運営中。

◆コーポラティブハウス特設サイト https://cooperativehouse.jp/

◆お宅訪問インタビュー動画: https://cooperativehouse.jp/casestudy/

◆コプラスの仲介サイト: https://cooperativehouse.jp/agency/

この記事を書いた人

株式会社コプラス

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