コーポラがドラマになったワケ。
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コーポラティブハウスを舞台としたフジテレビドラマ『隣の家族は青く見える』、いよいよ本日1月18日(木)22:00よりスタートします。
実は、この企画を初めて伺ったとき、コプラス社員一同「なぜ、コーポラをドラマに?!」と思ったのでした。そこで、本ドラマのプロデューサーでいらっしゃる中野利幸さんに、なぜコーポラティブハウスを題材にされたのか?そのきっかけや背景、ドラマの見どころなどを伺ってきました!
※コプラスは、同ドラマにコーポラティブハウスに関する資料(図面、写真、動画、模型など)をご提供するなどの撮影協力をさせていただいています。ご協力くださった入居者のみなさま、本当にありがとうございました!
フジテレビ第一制作室プロデューサー
中野利幸(なかの・としゆき)
1998年フジテレビ入社、編成部を経て2007年『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』で初プロデュース。以降、『ラスト・フレンズ』『流れ星』『私が恋愛できない理由』『ラスト♡シンデレラ』『オトナ女子』など数々のヒット作を手掛ける。
現代的な悩みを抱える、4家族の物語
―まず、『隣の家族は青く見える』はどんなドラマか、教えていただけますか?
コーポラティブハウスに住む4つのファミリーの物語です。
1.妊活に励む夫婦(深田恭子さん・松山ケンイチさん)
2.子どもは持たないつもりのカップル(平山浩行さん・高橋メアリージュンさん)
3.同性カップル(眞島秀和さん・北村匠海さん)
4.夫が失業してしまったことを隠して理想の家族を演じる夫婦(野間口徹さん・真飛聖さん)
と、それぞれ事情のある家族が、コーポラティブハウスという「ひとつ屋根の下」に住んで、現実にもがきながらも成長していく、というドラマです。
―どの家族も「ワケあり」なんですね。その舞台として、なぜコーポラティブハウスを選ばれたのですか?
昨年、友人がコーポラティブハウスに入居したので遊びに行ったのですが、まず自由設計で既製品ではない住まいに感動しました。彼は料理好きなのでキッチン中心の設計にしていたり、屋上にあがれたり、普通のマンションとは随分違って素敵だなあ、というのが第一印象だったんです。 で、彼の話を聞いていくうちに、ご近所の方の職業や家族構成をいろいろ把握しているのが分かって、さらに興味が湧いて。
もともと、信頼している脚本家さんと、3年くらい前から妊活をテーマにしたドラマをつくりたいね、と話していたのですが、コーポラティブハウスを舞台にするとドラマの主旨が引き立つなあと思ったのがきっかけです。
オープンだからこそ、前向きになれる。
―具体的には、どのような面で親和性があると思われたんでしょうか?
どの家族にも「知られたくないこと」があると思います。コーポラティブハウスでは、住まいづくりの段階からお隣のことが分かるので、お互いのことをある程度知ってしまうじゃないですか。知ってしまうと、無関心ではいられない。いまの日本では、まだ妊活はタブーなようなところがありますが、オープンにすることで、前向きに取り組める面もあるんじゃないかな、と。
これが、普通のマンションだと、隣の事を気にするというのは、覗き見のような、ちょっと気持ちの悪い感じになってしまいますが、コーポラティブハウスだったら、そこが自然で、説明的にならずに表現できるのでいいなと思ったんです。
―妊活、同性カップルなど、今日的な課題が多いですね。
そうですね。でもどちらもずっと手掛けたいとは思っていましたし、LGBTについては、実は10年以上前『ラスト・フレンズ』というドラマで題材にしたことがあります。その時は舞台がシェアハウスだったので、お隣を知っているという意味で同じ必然性があってつくりやすかったです。
今回のドラマも、シェアハウスに住んでいた若者が成長して、家族をもって、コーポラティブハウスに住んでみたらどうなるか?というような、延長線上の物語としても違和感なく考えられました。
―(鈴田)実は僕、『ラスト・フレンズ』が大好きだったんです。その頃家にテレビがなかったんですが、毎回オンエア時間にジムにいって、泣きながら見てました(笑)
それはうれしいですね~。今回もLGBTについてはすごく誠実に取り上げているので、ぜひ楽しみにしてください。
コーポラティブハウス、流行ると思います!
―ご自身の住まいの選択肢として、コーポラティブハウスはどう思われますか?
まず、コストパフォーマンスがいいですよね。実際のコーポラティブハウスを何件か拝見して、自由設計できて、この金額なんだ、とビックリしました。価格的に、マンションと一戸建ての間くらいなのかな、と思っていましたが、マンションより安いのかな?
―他の住まいと同じように地価や建築費変動の影響は受けますが、こだわりたいところにはコストをかけて、そうではないところは割り切る、と優先順位をつけることで、価格を合理的に抑えることは可能です。
拝見したお宅は地下1階と1階のメゾネットタイプだったんですが、天井高が高いし、温かいそうですし、テラスがあって地下とは思えないくらい明るくて。私は仕事柄、帰宅が遅くなることも多いので、自分の寝室と家族の寝室のフロアが分かれていると気兼ねなくていいな、と思いました。
―(柴原)私も実はコーポラティブハウスに入居しているんですが、地下1階と1階のメゾネットです。価格的にも抑えられるので、ご希望に合えばお得です。自由設計のデザイン性についてはいかがですか?
こだわりたいですね~。ドラマの登場人物たちも、それぞれこだわっていますし。実際のコーポラティブハウスを拝見しても、普通のマンションではありえない、自分のライフスタイルに合わせたデザインが多くて素敵だなあと思います。1階に住みたいと思ったら1階を選べるし、自由設計もできるから、一戸建て感があるのもいいですよね。
コーポラティブハウス、流行ると思います!このドラマを見て「ご近所づきあいが大変そう!」と思われ過ぎないといいのですが(笑)
―事件が起こらないとドラマになりませんから、その覚悟はできています(笑)!
だとしても、このドラマを通じて、コーポラティブハウスをたくさんの方に知っていただけるのは、ものすごくありがたいと思っています。
知られていないのはもったいないですよね!私の周りにも、知っている方は少なかったです。なので、ドラマの説明をするときは、分かりやすいように「ひとつ屋根の下に住む家族たち」という表現をしています。
鍵を預け合える信頼関係。妊活にも効く??
―普通のマンションだったら、お隣同士が「家族」というのは、ちょっとウェットな感じですよね(笑)
本当ですよね(笑) でも、ある取材で拝見したコーポラティブハウスでは、子どもを預かってもらったり、鍵を預け合ったりされていて、その自然な信頼関係がものすごくいいなあと思いました。
私は下町育ちなので、停電したら近所同士で焚き火するようなところがあったのですが、そんな古き良き日本のよさ、都会的なのに長屋的でもある魅力を、コーポラティブハウスに感じています。
―コプラスのコーポラティブハウスでも、東日本大震災のとき、親御さんがすぐ帰れなかったのでお隣の方が子どもさんを預かったり、ママ友ならぬパパ友という感じでお父さん同士が仲良くなって「パパ会」をやられていたり、というような、ちょうどいい距離感でご近所づきあいされているお話を伺います。
いいですよね。ある適度の距離感が必要なのでしょうけど、距離感があるからこそうまくやっていけるわけで、みなさんそれを探りながら住まわれているんでしょうね。このドラマでも、そこは探っていけたら思っています。価値観の違う人間が、ひとつ屋根の下に住むからこそ、ドラマも生まれるので。
ところで、聞いた話なんですが、コーポラティブハウスに入居すると子どもができやすい、というのは本当にあるんですか?ガラス貼りのお風呂やロマンティックな寝室を自由設計できるので、そんな影響もあるのかなと(笑)
―コーポラティブハウスだから、という訳ではないのですが、自由設計できるとなると、将来の事もより考えるようになって、それまで話題に出なかった「そろそろ子どもどうする?」という会話になったり、ということはあるようです。
ですよね。主人公カップルも、夫がおもちゃ会社に勤めていて、子ども部屋を先んじてつくっている、という設定にしています。そのあたりは、リアルさを取り込めていると思います。
自然に顔を合わせるコーポラは、実はドラマ向き。
―実際にコーポラティブハウスにお住まいの方は、よりリアルに感じて、楽しんでご覧いただけそうですね。撮影がはじまってみて、舞台をコーポラティブハウスにされた効果はどのようにお感じですか?
思惑通りという感じです。ドラマで難しいのは、登場人物同士がケンカした後、また顔を合わす場面が必要になる訳ですが、職場が同じとか、近所に住んでいるなどの設定にして、偶然出会った体にならないようにしないといけないんですね。それでも、あまりに続くと不自然になってしまいます。
コーポラティブハウスでは、そういう無理な設定をしなくても、家に帰れば中庭などで自然に隣人と会うので(笑)、非常にドラマ向きだと思います。作り手の都合じゃない場面にできるので、台本の進みも早い。つくりやすいです。
―それはおもしろいですね!ドラマを見ていて、「そんなに何回も、ばったり会う~?」っていうこと、ありますものね(笑) 住人を演じるキャストの方々も、コーポラティブハウスという言葉を初めて耳にされたかと思いますが、どんな反応をされていましたか?
取材で実際のコーポラティブハウスを拝見したときは、やはり「すごく素敵ね~」と。価格を聞いて、さらに驚かれて。
「将来子どもの手が離れたら、仲がいい同士でこんな風に住むのもいいわね、楽しそうね」ともおっしゃっていました。
「そういう考えもあるよね」、と言えるように。
―それはうれしいです。でもいいお話だけなのも何なので(笑)、ネガティブな反応もありましたか?
ある役者さんは、「コーポラティブハウスには住めない~」と(笑)。
というのも、彼はドラマの設定上、価値観の違う隣人に悩まされる役だからなんです。
このドラマには、リベラルな人から古き価値観の人まで、まるで現代の縮図のように様々な登場人物が揃っています。誰が正しい、誰が間違っている、ということはないし、「こういう風に考えてください」という画一的なテーマを投げかけたいわけでもありません。
見てくださる方が、登場人物の誰かに共感したり、感情移入したりして、彼らが衝突しながらも成長していく様子を楽しんでもらえたらうれしいです。
―衝突と成長。
そうです。お互いの価値観を認め合えること、「そういう考えもあるよね」と言えること。
「女は子どもを産まないとダメ」なのではなく、「そうじゃない人もいるわよね」と思えること。
違う幸せを分かってあげられるようになること。
彼らがそんな風に成長していく様子を見てもらいたいです。
私は人間が好きなので、人はどこかで、誰かに認められたい、誰かとつながりたいものだと思っています。だからSNSにはまったりする。他人が他人同士じゃない感じ、そんなコミュニケーションをリアルの場でできるのがコーポラティブハウスなのかもしれませんね。
今回お話を伺って、コーポラティブハウスがドラマの舞台に選ばれた理由がよく分かりました。
「みんな違っていいんだ」という、実はとても深いテーマこそ、自由設計でひとりひとり違う住まいづくりができるコーポラティブハウスとリンクしているように思います。
すでにコーポラティブハウスにお住まいの方も、今回初めて知った方も、ぜひ『隣の家族は青く見える』を楽しんでくださいね!
コプラスでは間もなく、「下北沢コーポラティブハウス」(下北沢駅徒歩6分・9戸予定)の募集をスタートします。一般募集は2月中旬の予定ですが、クラブコプラス会員(登録無料)の方には先行してプロジェクト情報をお知らせします!ぜひご期待ください。