お宅訪問Feelings Realized

集まった分だけ豊かになる住環境、サトヤマヴィレッジ<後編>

2015.07.10


s-RO_SP132171

 

まるで高原の別荘のようなこの風景は、実は福岡県北九州市の通勤圏内にある戸建住宅、サトヤマヴィレッジの一角です。
今回のお宅訪問は趣向を変え、このうらやましい環境にお住まいの3件のお宅を訪ねました。
前編はこちらからご覧ください


「子はかすがい、ならぬ
“サトヤマ”はかすがい、です」

 

2件目にお邪魔したのは、吹き抜けから降り注ぐ光が、緑に一層輝きを与えているS邸。
Sさんは、一番最初にサトヤマヴィレッジにご入居くださった方です。
現在、管理組合の代表理事をされています。

s-RO_SP132079

▲深呼吸したくなる気持ちよさです。

 

「ここの一番いいところは、建物の建てかたのおかげもあると思いますが、近所のコミュニティがよく回っていることです。ちょっと外に出れば、会話がはじまって……」とSさん。

Q. ご入居前から、そのような暮らしぶりを期待されていらしたのでしょうか?

「最初はその点は全く考えてはいなくて、これだけ豊かな緑の中に家を建てましょう、というところが『おもしろそうやな』と思って飛び込みました。実際住んでみると、住めば都、と言えばそれまでですが、客観的に見ても皆さんよかったなあと思っていらっしゃると思います。 周りからもうらやましがられますね。子どもの小学校の運動会のときも、住民同士の絆が深いというか、サトヤマのみんなでよその子も応援したりするので。大きな家族みたいですね」

s-RO_SP132037修正

▲S邸の周囲にも見事な樹木が。「はじめは草木にあまり興味なかったのですが、日々四季を感じるうちに、興味も出てきました」とSさん。

 

Q. 今ではにぎやかなサトヤマヴィレッジですが、一番最初に入居されたということで、はじめのうちはどのような雰囲気でしたか?

「他の区画が埋まるまでは、正直不安でした。『なんでそんなところ買ったん?』って言われることもありましたし(笑)。自分でも、『失敗だったかな?』と思いましたよ。そういう時期を経て、いまは『どうだ!』と(笑)。誰もがうらやむコミュニティですよ~。 『オレの決断は間違ってなかった!』と思ってます(笑)」

s-RO_SP132069

▲話術巧みなSさんのお話に、笑いの絶えないインタビューとなりました。

 

Q. Sさんは管理組合の代表理事をされていらっしゃるそうですが、どのように運営されているのですか?

「7名で運営していて、ルールとしては3年ごとに交代する仕組みにしています。今のメンバーで今年3年目です。この後訪問される副代表理事のOさんが、非常に植栽がお好きで、サトヤマのメンテナンスや業者さんとの交渉など色々やってくださるので、丸投げ状態で(笑)お任せして、とても助かっています。

私は、周りの意見を吸い上げて、バランスをとるようにしています。一番最初に入居したというのもあって、後から入った方がコミュニティに入りにくい、というのだけは避けたいと思って気をつけています。初めの頃に入った人たち同士で固まって交流していて、新しい方が浮いてしまう、というのは絶対に嫌なので」

Q. 新しく入居された方が、どうやって溶け込みやすいようにされているのですか?

「やはり直接お話しするのが一番いいので、草とりやバーベキューをやるとき、歩き回って『ぜひ来てください』って声をかけています。もちろん強制ではないんですが、1度でも来ていただけたらお互い顔が分かって、その後気が向いたら気軽にフラっと来ていただけるようになると思うので」

Q. 顔が分かっているよさと裏腹に、プライバシー面から住みにくさはありませんか?

「そこはみなさん、いい距離感をお持ちだと思いますね。最初からこういうつくりだと分かって入られていると思うので、挨拶もしたくない、というような方は入らないですよね。人づきあいって大事だなあ、という認識の方が集まっていると思います」

s-RO_SP132017修正

▲S邸(写真左)前にはクルドサックが設けられており、自然に人が集まったり、子ども達が遊んだりする場となっています。

 

Q. Sさんにとって、理想の家とは?

「住みたい家と住んでいい家とは多分、違うと思うんです。全ての悩みは対人関係だ、とアルフレッド・アドラーは言っていますが(笑)、そのとおりですよね。自分のふるさととしての家、子ども達はここで成長して巣立っていくわけですけど、コミュニケーション能力をサトヤマが育ててくれる、という感じです。
次選ぶとしても、またこういうタイプの家に住みたいですね」

「ここは離婚率も低いと思いますよ。子はかすがい、じゃないですが、サトヤマがかすがい、になっていますね。日本の離婚率は平均3割程度という中で、ここは43世帯ありますから、10数組離婚してもおかしくないんですが(笑)、踏みとどまるものがあるんじゃないでしょうか。
顔が分かっているから子どもを預けられる、というのは大きいですね。夜飲み会のとき、預けるし、預かるし。旅行に出るとき犬も預かったりしますしね」

Q. そのあたり、奥さまはいかがですか?

「みんなで育児をしているような感じです。みんなで子どもを見てくれたり、散歩に連れていってくれたりするので、育児ノイローゼにならなくてすむということもあると思います。煩わしいということは全くないです。このコミュニティの価値は、お金では買えないです」

「お金には変えられないですね、この価値、人は。『これは、得た!』と思ってますね」

最後に、Sさんがしみじみと「幸せですよ、ほんとに」とつぶやかれたのが大変印象的なインタビューでした。

RO_SP132111

▲洗面所からもサトヤマを楽しめます。


「楽しんでます。
“サトヤマ”が趣味なので(笑)」

 

最後にお邪魔したのは、心地よい風がよく通るO邸。
Oさんは、管理組合の副代表理事です。Sさんもおっしゃっていたように、植栽にお詳しいOさんはサトヤマのメンテナンスをとても楽しんでいらっしゃるようです。

s-RO_SP132144-2

▲周りを緑に囲まれているサトヤマヴィレッジは、アスファルトに囲まれた住まいと比べて、夏は2℃も涼しく、冬も暖かいのだそうです。

 

「サトヤマに住みたい、と思ってここ引っ越してきました」と開口一番におっしゃったOさん。

「他のところで欲しいと思う家がなかったし、サトヤマの、ここの区画が気に入りました。ここが空いていなかったら、買わなかったと思います。僕は、木の剪定などが大好きなんですが、ここが一番、サトヤマにぐっと入り込んでいて、一層緑豊かなんです。
おかげで、いつも自然や四季を感じられます。壁のない特殊な空間、人との付き合いが深いのも魅力です」

s-RO_SP132161

▲「この緑のために、ここに住んでいます」とOさん。

 

Q. 壁がないということで、外からの目線が気になることはありませんか?

「全くないです。楽しんでます。僕たちが変わっているのかもしれません(笑)。会社の同僚からも、『人づきあいなんて、めんどくさくない?』って言われるし(笑)。
43世帯いらっしゃる中で、絶対43世帯全員と仲良くしなさい、ではないので。仲がいい気が合う人同士、無理せずに、というのがあるんで。強制もありませんので、近所付き合いがわずらわしいというのは全くないです」

Q. 特に仲のいい方はどのくらいいらっしゃるんですか?

「6世帯くらいでしょうか。2~3軒から、多いときで5~6軒くらい集まって、しょっちゅう食事会してます。誰かの家に集まって、負担にならないよう1品ずつ持ち寄り制にしてやっています。
お隣同士というより、子どもが同じ歳つながりとか、価値観が一緒というので集まっています」

Q. どんな風に仲良くなったんですか?

「子どもが同じ歳だとか、子どもを連れて公園に行き始めたときしょっちゅう会う、というのが多いですね。後は、バーベキューや餅つき大会で、一緒に準備をしてくれたり、飲み始めて同じような話ができたり、価値観が合ったり……最近はハロウィーンも始めたのですが、子ども達のために用意したお菓子がものすごい量になったりして(笑)」

「お菓子をパパ達何人かでサトヤマの森の中に隠して、子ども達がそれを探しまわったりしています。大人が、子どもですね(笑)」と奥さま。

s-DSC03054

▲森林浴しながらゆっくりバスタイム……疲れも吹き飛びそうです!

 

Q. 副代表理事ということで、ご負担はありませんか?

「僕だけですかね……負担は全然ないんですよ(笑)。好きなことをやっているだけなんですよね。
管理組合のFacebookグループがあるんですが、そこでも皆さんとのつながりがあります。今日やったソフトボール大会のことや、僕の場合はサトヤマで切った木の情報や、『こんな毛虫出たよ』っていうのを送って、『うわー!!』って皆さんがいいリアクションしてくれたり(笑)。さっきも、クワガタがいたんで撮って流したんですよ。
Facebookはクローズしていないので、誰でも見られます。サトヤマ以外の友達が『いいね!』してくれたりするんですよ」

Q. 7年経ってお子様も大きくなって、以前はなかった問題も出てきましたか?

「特に問題は感じていないですね。子ども達がサトヤマの自然で大怪我した、というのもありませんし。

世代の違う子ども達が、学校から帰ってきて、ここで一緒になって遊んでいるのはものすごくいいと思います。

10年後、どういう風景になっているか楽しみですね。みんな言うのが、子ども達が巣立ったら、私達ジジババになって、残るだけやねんねって(笑)」

「学年も性別も関係なく、日が暮れるまで土いじりをしている風景がいいです」と奥さま。

01

▲サトヤマで過ごした時間は、子ども達にとって宝物になるに違いありません。

 

Q. 改善したいところはありますか?

「ないですね。ただ、蚊はいやです(笑)。でも、木を切って風通しをよくしたりすることで、それも改善していけるんですよね。木を切っているところとそうでないところとでは、蚊の量が違うんです。そういう、手を入れることによって改善していけるのも、おもしろいなあと思っています」

 

Q. どうしてそんなに、植栽についてお詳しいんですか(笑)?

「好きなんです(笑)。盆栽を9年くらいしてたんですよ。ここに来たら、その盆栽も地に植えて、小さくやっていた自分の趣味が、これだけ大きな規模でできるようになって、最高です(笑)」

Q. 素敵ですね。他にどんな趣味をお持ちなんですか?

「……サトヤマが趣味なんです(笑)。今日も、仕事前に6時から剪定に入ってました。あとは、バイクが好きなので、ガレージにフィギュアと一緒に並べてます」

02

▲(左)Oさんの宝物が詰まったガレージ。(右)ご家族みなさんの手形をエントランスに。

 


取材後すぐ、皆さんからコプラスのFacebookページに「取材楽しかったです!」「趣味、生活、育児、イベント、全てが楽しいサトヤマ(^^)」などのメッセージをいただき、とても温かい気持ちになれました。

時に、人と積極的に関わることに少し構えてしまうことがあったりしますが、サトヤマヴィレッジのみなさんのように、もっとシンプルに、人と人とのつながりを楽しんでいきたいし、そういうコミュニティこそ暮らしを真に豊かにしてくれるのではないか、と思えました。

今後も、そんな温かいコミュニティのある住まいづくり・まちづくりを続けていきたいと思います。
今回の取材にご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。

 

プロジェクト概要

エリア:福岡県北九州市若松区
敷地面積:1.2 ha
規模:43住戸
竣工:2008年

<事業主・売主>
株式会社コプラス
株式会社エス・コンセプト

<街づくりアドバイザー>
九州大学
北九州市立大学
ブラックステューディオ

<植栽デザイン>
田主丸緑地建設

<照明デザイン>
松下美紀照明設計事務所

<造成工事>
戸畑土建工業

03

このお宅のコプラス コ―ディネイタ―

 



トップに戻る